ウェディング・シンガー

 2020/2/5 5:47   2020/3/8 6:55

1999年2月20日公開 映画.com IMDb

今回紹介する映画もロマンティックコメディです。
前回の「ロザンナのために」とはだいぶ雰囲気が違いますが、
自分はこのジャンルが好きなのだと思います。

舞台は1980年代。
かつてロックスターを目指していたロビーは、
結婚披露宴を歌で盛り上げる
ウェディングシンガーとして日銭を稼ぎ、
姉夫婦の家の地下室で暮らしています。

©1998 NEW LINE PRODUCTIONS, INC.

アメリカでは結婚披露宴にバンドやDJを呼んで
パーティーとして盛り上げるのはよくあることのようですね。
ロビーはウェディングシンガーとしてすっかり慣れていて、
酔った家族の気まずいスピーチもうまく軌道修正します。
そんな彼の姿に序盤から好感を持って見ることができました。

そんな彼も、長らく交際していたリンダと
晴れて結婚することになったのですが、
結婚式当日、なんとリンダは現れません。
翌日、ロビーのもとにやってくるリンダ。
自分が好きだったのはロックスターを目指していた
ロビーだったと告げ、彼のもとを去ります。

結婚式当日来ないってそりゃないですよね。。
そういうことは昨日言え!とロビーは怒りますが、
無理ないです。
ああ、ロビーはかわいそう・・・、
序盤から好感を持って見ていた自分は素直にそう感じました。

失意のロビーは自宅で寝込みますが、
友人サミーのすすめもあり、ウェディングシンガーに復帰。
しかし披露宴で悪態をつきまくり、
招待客と大喧嘩になる始末。

これはひどかったですねぇ。
こういうときアメリカ映画って
けっこうエグいジョークを描きますね。
ロビーは招待客から殴られますが、それも仕方ないです。


一方、披露宴でウェイトレスとして働いていたジュリアは、
証券マンのグレンとの結婚を控えていました。
ラスベガスで手軽な結婚式をやろうと言うグレンに対し、
ジュリアは地元で親しい家族や友人を呼んだ
式をやりたがっていました。
グレンはジュリアの願いを聞き入れますが、
自分は詳しくないし忙しいと言い、
式の準備は彼女に任せきり。

このグレンという男はいけ好かないやつです。
ロビーと比べると鼻につく男で、
素直に嫌なやつと感じました。
ジュリアはちょっと垢抜けない雰囲気の女性。
アットホームなウェディングパーティーを夢見ています。

困ったジュリアは、結婚式に詳しいロビーに
アドバイスを求めます。
落ち込んでいて気分も乗らないロビーですが、
ジュリアに根負けして、
彼女の手伝いをすることになるのでした。

こうしてそれまでは職場の同僚だった二人が、
急に親しくなっていきます。
果たしてジュリアの結婚式は、
そしてロビーとの関係はどうなるのか・・・
というのがこの後の見所です。

ロビーを演じるのはアダム・サンドラー。
日本での知名度はいまいちだと思いますが、
主演映画がアメリカでは軒並みヒットする
人気コメディアンです。
彼の映画は、笑いの中にやさしさがあるものが多く、
私の好みにはぴったりなので、他の作品も見ています。

©1998 NEW LINE PRODUCTIONS, INC.

ジュリアを演じるのはドリュー・バリモア。
「E.T.」に子役として出演するなどキャリアは長く、
「ローラーガールズ・ダイアリー」では監督もしています。
ちなみにこの「ローラーガールズ・ダイアリー」も
すごく良い映画で、私は大好きです。

アダム・サンドラーとドリュー・バリモアは、
その後「50回目のファースト・キス」
(日本では山田孝之、長澤まさみ主演でリメイク)、
「子連れじゃダメかしら?」でも共演しているため、
息の合ったコンビなのかもしれません。

ジュリアにアドバイスをして結婚式準備を進めるの中で、
やはりロビーはジュリアにひかれていってしまいます。
でもジュリアはこれから結婚をする身。
ジュリアもどこか正体のつかめない
グレンに困惑していきます。

ああ、なんとももどかしい二人。。
まるで少女漫画の主人公のようですね。しかもだいぶ昔の。
でもそんな雰囲気が私は大好きで、
素直に二人を応援し、
感情移入しながらこの映画を見れました。

物語の終盤、遊び人と思っていた友人サミーが
ちょっとしたいいことを言います。
このお調子者と思っていた友人が
いいことを言う展開って好きです。
「ノッティングヒルの恋人」でも
そんなシーンがあるのですが、
これも私がその映画が好きな理由の一つでもあります。

初めてこの映画を見たときは、
こんなにも見事に作られた映画があるんだと
心底感動しました。
序盤での主人公たちへの注目のさせ方と、
終盤に向かっての流れるような展開。
そしてラストに訪れる大団円。
自分の中では完璧な映画でした。

もう20年以上前の映画になってしまいましたが、
今見ても色あせない映画に出会えたことに感謝です。

予告編

The Wedding Singer